『持ってゆく歌 置いてゆく歌』大谷能生
自分なりの方法で、世界を勝手にやり過ごした作家たち
音楽家、批評家の大谷能生に旅の本屋BOOK246で音楽と旅をめぐるレクチャーを依頼し、レクチャー終了後にその内容を書籍化した。
イベント開催時は、書店でのリアルなレクチャーを行った後、雑誌「エスクァイア」のウェブサイトでテキスト版として改めて連載を行った。
「自分なりの方法で、世界を勝手にやり過ごした作家」たちの音楽と文学、そしてその音楽がなっていた土地/場所。「作品を、それが書かれた状況に差し戻して読む」という方法で書かれ、作品が書かれた当時、流れていた音楽をきっかけにして、作家と作品を読み解いている。
【Index】
・深沢七郎、「楢山」と日劇ミュージックホール
・ボリス・ヴィアン、『日々の泡』とデューク・エリントン楽団
・色川武大/阿佐田哲也、焼跡に必要な歌
・マルコムXとマイルス・デューイ・デイヴィス三世
・『破壊せよ、とアイラーは言った』中上健次とジャズ喫茶文化
・ゴーシュは誰からセロを習ったのか? 宮沢賢治の文学と音楽
・レーモン・ルーセルとシュルレアリスム
・旅するための条件、ポール・ボウルズ
・「ブラジルへの旅―ブラジル文化圏の音楽と文学対談」麻生雅人
・「文学と音楽をめぐる想像上の旅対談」坂本龍一
【大谷能生/おおたによしお】
1972年生まれ。批評家、音楽家。96年、音楽批評誌「Espresso」を立ち上げ、02年まで編集、執筆。日本のインディペンデントな音楽シーンに実践と批評の両面から深く関わる。著書に『持ってゆく歌、置いてゆく歌 不良たちの文学と音楽』(エスクァイアマガジンジャパン)、『散文世界の散漫な散策 二〇世紀の批評を読む』(メディア総合研究所)がある。菊地成孔とのコンビによる講義録は『憂鬱と官能を教えた学校 【バークリー・メソッド】によって俯瞰される20世紀商業音楽史』(河出書房新社)、『東京大学のアルバート・アイラー 東大ジャズ講義録』(全2巻/文春文庫)、『M/D マイルス・デューイ・デイヴィスIII世研究』(エスクァイアマガジンジャパン)がある。