KRD Nihombashi

Book Direction|
KRD Nihombashi

生きることのWHYとHOW

人生100年と言われる時代を迎えた社会における、人間ドック・健康診断を専門とするクリニックのためのライブラリーディレクション。

日本は世界でも有数の長寿国であり、医療の発達により人間の寿命は年を追うごとに伸び続けている。テクノロジーは医療分野においても様々な可能性を見せ、人間の身体や脳に直接介入し、補助や強化をしていくことも現実的になっている。

寿命としての100年が見えてきたとしても、100歳まで健康で充実した人生が生きられなければ、100歳という年齢を手放しで喜ぶことはできない。人間ドックは健康状態を定期的に検査していくことで、身体のデータの差分で健康状態を把握していく。1度ではなく定期的に受け続けるわけであり、そうした受診者は長生きするのであれば健康でいたい、という願望が受信するという行為にメタ的に含まれている。

人間ドックは検査の結果を知らせることこそするが、なぜ長生きしたいのかという人間の欲/受診の動機(WHY)については触れない。そして、どうやって健康になっていくのかという手段(HOW)についても、日々一緒に考えていくことはしない。そこで、ライブラリーの役割はなぜ長生きしたいのか/健康でいたいのかという「WHY」とどうやって健康になるのか、健康を維持するのかという「HOW」を考えるための場所とした。

「WHY」では、まだ見ぬ場所に行ってみたい人への「旅」や、やり遂げたい仕事がある人にむけた「仕事」、愛や恋を求める人に向けた「恋愛」、おいしいものが好きな食いしん坊のための「食」など、人間の夢や欲望、喜びと向き合うセグメントで選書。

「HOW」では、「運動」や「食事」という日々の身体をどう作っていくかというテーマから、ワークライフバランスや人間関係を見つめる「仕事」や「コミュニケーション」や「メンタルヘルス」などについての本を選んでいる。

Information

Year

2018

Interior Design

斎藤裕美+平山真(SHIP ARCHITECTS)

Graphic Design

岡本健/紺野達也(岡本健デザイン事務所)

Furniture Design

E&Y

Photograph

矢野利行